【富岡製糸場西置繭所整備】(世界遺産国宝)(群馬)
富岡製糸場は明治5年に、明治政府によって設立した官営のモデル工場で、我が国の製糸工場建築の模範でした。平成26年に国宝に指定。世界遺産としても登録され、西置繭所の屋根漆喰工事を弊社で担当し、約100メートルの長さの瓦を抑える屋根漆喰の修復を行いました。
【皇居大手門渡櫓改修】(東京)
大手門は1607年に築かれた江戸城の玄関口で、昭和20年の戦災で焼失しています。現存する大手門のうち、渡櫓門は皇居東御苑の開園に伴い、昭和40年に復元されました。当左官工事は昭和40年の復元から50年経過を機に行われた改修工事の一環で、外壁大壁の塗り直しを行いました。
【皇居外苑旧江戸城外桜田門】(東京)
桜田門は江戸城の小田原口として、1636年に現在の形に改築されました。「桜田門外ノ変」は1860年に桜田門の外側で起きています。門は往時のまま現存し、1961年に国の重要文化財に指定されています。左官工事は伝統工法を忠実に受け継いだ材料配合で行いました。
【駿府城公園坤櫓】(静岡)
駿府城は1589年に徳川家康により築城され、戦後は市民の憩いの場として駿府城公園に改名。2014年に坤櫓の復元を行いました。当工事は城郭建築としての異例の新築で、左官工事において地元の職人と協力し、伝統工法の検証による、竹小舞下地組み、土壁、漆喰壁それぞれの工程で正確な復元が行われました。
【大本山 成田山新勝寺/総門】(千葉)
成田山は940年に開基したとされ、不動明王を御本尊とし、庶民の根強い信仰を集め、今日まで加持祈祷の名所です。総門は開基1070記念事業として、2006年に竣工した建物で、大変規模の大きい建築物です。平成の新築ですが、左官工事にあたっては伝統を忠実に継承した材料・工法で施工しています。
【建長寺/大徹堂】(神奈川)
建長寺は建長5年(1253年)に落慶され、鎌倉時代の、禅宗の創立と禅宗文化の発信の地でした。1816年に建立された旧禅堂が現在の建長寺に適合が難しく、建替えが決定されました。現在の建築基準法が適用された平成の新築ですが、左官工事は伝統に忠実な材料・工法で施工を行ない、技術の継承を図っています。
【旧川崎銀行佐倉支店】(千葉)
大正7年(1918年)、矢部又吉の設計により、川崎銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)の佐倉支店として建てられ、のちに佐倉町役場、公民館、図書館、資料館の機能を経て、現在は佐倉市立美術館のエントランスホールとして利用されています。修復には既存の部位を石膏で模り、試行錯誤を繰り返して、アカンサスのモチーフを忠実に再現しました。
【辻文庫蔵復元改修】(山梨)
米蔵、味噌蔵、醤油蔵、文庫蔵など、長い日本の歴史の中で、生活の風景に融け込み、景色と文化そのものを担ってきた建物—土蔵—、我々は全国津々浦々にその美しい姿を確認することが出来ます。辻文庫蔵は、経年劣化で痛んだ土蔵を修復し、施主様と相談しながら、大事な箇所はとことんこだわり、その他の部位では建物価値と機能を損なわない程度に省略して施工方針を決めました。
【重要文化財/内田家住宅】(埼玉)
旧内田家住宅は埼玉県・秩父市に位置し、江戸中期の大規模養蚕農家であり、秩父市唯一の重要文化財です。今回の修理工事で発見された文書調査で享保16年(1731年)に建てられたことがわかりました。左官工事では内外の土壁中塗り仕舞い、内部漆喰仕上げ、土間・外構の三和土(たたき)を伝統工法に忠実に仕上げました。